歯周病について
日本人の歯を失う原因
歯周病大国と言われている日本において、30代以降の約70%以上が歯周病に罹患しているとされています。以前は、歯を失う原因の多くは虫歯でしたが、平成17年頃から「虫歯」を超えて「歯周病」が歯を失う原因のトップになっています。自覚症状がないだけに健康そうに見える口腔内でも、実は多くの方の口内で歯周病が始まっています。
歯周病が及ぼす全身への影響
歯周病の影響は口腔内だけでは終わりません。歯周病が進行した場合、歯周病菌は血液を介し各臓器に運ばれ、さまざまな全身疾患の引き金となるリスクがあります。最近の研究では、糖尿病と歯周病が双方に影響を及ぼすことや、日本人の原因の3番目となっている肺炎や感染性心内膜炎などの心疾患に歯周病が深く関わっていることも明らかになっています。また、歯周病が動脈硬化を招き心筋梗塞・脳梗塞のリスクを高めることや、歯周病に罹患した妊婦さんは、そうでない方に比べて早産や低出生体重児のリスク確率が2〜4倍になるとも言われています。反対に、全身疾患が歯周病を悪化させるケースも報告されています。
歯周病認定医による治療
歯周病認定医を取得するためには、3年以上学会指定の研修施設で研修を受ける必要があります。また、行なった歯周治療の症例を学会に提出し、書類選考を受けて認定医試験に合格した者が認定医を名乗ることができます。歯周病認定医は、一般の歯科医では対応の難しい重度の歯周病や、若年層に発症する進行速度の早い歯周病に対応することができます。
歯周病の基本治療
プラークコントロールが、歯周病の最も基本的な治療法となります。病原性プラークを取り除き口内のプラークを正常レベルに維持することによって、無害な細菌グループが支配的になる環境に整えていきます。そのために、通常は歯垢や歯石の除去とブラッシング指導が行われます。その後、初期の治療では取り切れなかった歯周ポケットの深いところに付着した歯石を除去する治療を行います。歯周ポケットの特に深いところについた歯石や歯垢については、歯ぐきを切開する手術を行い取り除く場合もあります。
レーザーによる歯周病治療
レーザーの光と熱は、器具では届きにくい歯周ポケットの奥深くや、複雑な形をしている歯周ポケット内部に到達することができます。レーザーを歯周ポケット内に照射することで、内部の細菌を殺菌、消毒することが出来ます。さらに、歯ぐきの内側にある良くない状態の肉芽の蒸散や、膿の排出も促す効果があります。歯ぐきの血行をよくしてくれるため健康な引き締まった歯ぐきに再生していきます。